ボードゲームのルール説明(インスト)が終わって、ゲームを無事に遊び終えたとき。そこで「お疲れ様でした!」と終わらせてしまうのは、実はもったいないかもしれません。

以前の記事「インストってなんだろう?」で触れた通り、ボードゲームにおけるインストラクション(教える行為)には、ルール説明だけでなく**「ゲームが終わった後の振り返り(感想戦)」**も含まれています。
今回は、インストの仕上げとしての「感想戦」の役割について深掘りします。
そもそも「感想戦」ってなに?
もともとは囲碁や将棋の用語で、対局が終わったあとに手順を振り返り、勝負の分岐点を検討することを指します。
ボードゲームにおける感想戦も似ていますが、もっと自由でカジュアルなものです。 一言でいえば、**「さっきまで遊んでいた時間を、みんなで言葉にして味わい直す時間」**のこと。
「あの時、実はこう思ってたんだよね」「あの作戦は凄かったね!」といった、ちょっとしたおしゃべりすべてが感想戦です。反省会のように「正解」を探す必要はありません。
感想戦は「満足」と「学習」を深める時間
インストラクションデザインの視点で見ると、感想戦は単なるおしゃべりではなく、プレイヤーの「学習」を定着させ、満足度を高める大切なプロセスです。
1. 「わからない」を放置しない(安心感の構築)
初心者の方にとって、ゲーム中に「よくわからないまま進んでしまった」部分は不安の種になります。感想戦で「あの場面はどうすれば良かったの?」と気軽に聞ける雰囲気を作ることで、その不安が解消され、ゲーム全体の理解(学習)が深まります。
2. 「次はこうしたい!」という意欲を引き出す(ARCSモデルの関連性)
疑問が解けてスッキリすると、自然と「次はもっとうまく遊べるかも!」という**「自信」や「満足感」**(ARCSモデルの要素)が湧いてきます。この前向きな気づきを共有することが、次回のプレイへの強い動機づけに繋がります。
具体的にどう感想戦を促すか?
インストラクター(説明役)として、以下のような問いかけをしてみるのがおすすめです。
- 「どの瞬間が一番ドキドキしましたか?(面白かった?)」 (感情の共有:ゲームの面白さを再認識する)
- 「あの時、実はこんな作戦を狙っていたんですよ!」 (戦略の開示:ゲームの奥深さを伝える)
- 「次はどんな風に動いてみたいですか?」 (未来への展望:継続的な関心を引き出す)
まとめ:心地よい「出口」を見つけるために
インストが「ゲームの世界への招待状」だとしたら、感想戦は「日常に戻るための心地よい出口」のようなものです。
無理にするものではないけれど、選択肢のひとつとして感想戦を持っておく。そうすることで、「よくわからないまま終わってしまった」というモヤモヤを減らし、「今日も楽しかったね」という満足感で締めくくりやすくなるはずです。
もし次にボードゲームを遊ぶとき、ふと「今の場面、面白かったな」と思ったら、それを一言だけ伝えてみてください。そこから新しい発見が始まるかもしれません。

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