インストの「苦手」を解消する、テクニックより大切な「スタンス」の話
「せっかく面白いゲームなのに、自分の説明のせいでつまらなく思われたらどうしよう……」 ボードゲームのインスト(ルール説明)を担当する時、そんな不安を感じたことはありませんか?
先日、Twitter(X)でこんな投稿を見かけました。
このツイートに対する皆さんのアドバイスを見ていて、一つ気づいたことがあります。 それは、ボードゲーム界隈では**「インスト = ルールを説明するテクニック」**という文脈で語られることがほとんどだ、ということです。
もちろん、分かりやすく説明するスキルは大切です。しかし、私はその「手前」にあるものを見落としてはいけないと感じました。
それは、「インストをする人の立ち位置(スタンス)」です。
今回は、テクニック以前に私たちが考えるべき「3つの問い」と、私が大切にしたいスタンスについてお話しします。
「3つの問い」
テクニックを磨く前に、自分自身に投げかけてみたいのが次の3つの問いです。
1. 【Who】誰へのインストなのか?
目の前にいるのは、ボードゲームに慣れている友人でしょうか? それとも、今日初めて遊ぶ初心者の方でしょうか? 相手の経験値や、その日のコンディションによって、専門用語の多さや説明のスピードは変わるはずです。
2. 【Goal】遊ぶ人が「どういう状態」になると良いのか?
ルールを完璧に理解して、ガチガチの真剣勝負をしたいのか。あるいは、なんとなくの流れを掴んで、お喋りしながら楽しく遊びたいのか。 目指すべき「ゴールの状態」が違えば、自ずと情報の優先順位が決まります。
3. 【How】そのために、どんなインストが効果的か?
「誰に」「どうなってほしいか」が決まれば、ようやく方法論の話になります。例えば、全体の流れをざっくり話してから詳細に入るのか、実際にコマを動かしながら説明するのかといったように、相手とゴールに合わせた「最適解」を選び取ることができます。
遊ぶことにそこまで力を入れるのか?
「でも、これらを全部考えるのって難しそう……」と感じるかもしれません。実際、とりあえず説明を始めてみる方が楽なこともあります。
それでも、あえてこの問いを立てることに価値がある。それは、私たちが**「ボードゲームを遊ぶ」以上の目的**を持っているからではないでしょうか。
ボードゲームで遊ぶ際に大切にしていることは?
「遊べればいい」の先にある、私のスタンス
正直なところ、ここまで考えるのは「難しい」と感じるかもしれません。「ゲームなんだから、とりあえずルールがわかって遊べればそれでいいじゃん」という意見も、一つの正解です。
しかし、私が今回この「立ち位置(スタンス)」にこだわったのは、自分の中に一つの答えを見つけたからでした。
それは、私自身が**「ボードゲームを広く普及させたい」**という立ち位置に立っている、という事実です。
単にルールを伝えるだけの「説明役」で終わるのではなく、その人が「ボードゲームって面白いな、また遊びたいな」と思える体験をデザインしたい。そう願ったとき、自然と「相手のこと」や「目指すべきゴール」を深く考えるスタンスが生まれていました。
答えが「わからない」ことから始めよう
もちろん、相手のことを考えても、すぐに正解が出るわけではありません。「どう説明すれば、どのようなことを意識すれば、喜んでもらえたり一緒に楽しめるか」という問いへの答えが、わからなくて立ち止まってしまうこともあるでしょう。
でも、「その人のために、一番いい方法を考えようとする」。その姿勢(スタンス)そのものが、相手への信頼に繋がり、結果として良いインストを生むのだと私は信じています。
皆さんは、どんな立ち位置でインストに向き合っていますか? 「テクニック」に迷ったときは、一度立ち止まって、自分自身の「スタンス」を眺めてみるのもいいかもしれません。

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