UMATAKAは、土器づくりに向かって少しずつ見えるものが増えるゲーム
UMATAKAは、新潟の縄文時代をテーマにしたボードゲームです。
プレイヤーは、集落で暮らす一家の長として、村人コマや犬コマを使い、資源を集めたり、探索を進めたりしながら、土器づくりに近づいていきます。
木材や粘土を集める。
探索トラックを進める。
必要なものがそろってきたら、土器づくりを考える。
細かいルールまで見れば、できることはたくさんあります。
でも、初心者に最初から全部を説明する必要はありません。
UMATAKAの面白さは、「最初から正解が見えていること」ではなく、動かしているうちに少しずつ分かってくるところにあります。
最初は、何が大事なのか分からない。
でも、1手動かすと手元に資源が増える。
探索が進む。
盤面の見え方が少し変わる。
すると、「あれ、次はこれが必要かも」と思える瞬間が出てきます。
この記事では、その瞬間をどう作るかを考えます。
初心者にいきなり「ほしいものを選んで」は難しい
UMATAKAをインストするとき、つい言いたくなる言葉があります。
「好きなアクションを選んでください」
「ほしいものを取りに行けばいいです」
「やりたいことを決めてください」
経験者にとっては、自然な説明です。
でも、初心者にとっては、この言葉が意外と難しいことがあります。
なぜなら、まだ「何がほしいのか」が見えていないからです。
木材が強いのか。
粘土が大事なのか。
探索を進めたほうがいいのか。
犬を使うと何がうれしいのか。
土器づくりには何が必要なのか。
何を大事に見ればいいか分からない状態で「好きに選んで」と言われると、自由になるどころか、むしろ不安になります。
「どれを選んでもいい」と言われているのに、何を見て選べばいいのか分からない。
間違えたら損をしそう。
自分だけ変なことをしてしまいそう。
これは、初心者の理解力が低いという話ではありません。
まだ判断するための材料が、プレイヤーの中にそろっていないだけです。
だから、UMATAKAのインストでは、最初から選択肢を全部説明するよりも、まず「何を見ればよいか」が分かる状態を作ることを大事にしたいです。
まずインスト役が“普通に良い1手”を見せる
最初におすすめしたいのは、インスト役が1手だけ見本プレイをすることです。
ここで見せるのは、奇抜な手ではなくていいです。
高得点コンボでもありません。
上級者っぽい効率のよい動きでもありません。
見せたいのは、次の3つです。
- コマを置くと、何かがもらえる
- 探索が進むと、盤面上で変化が起きる
- 手元を見ると、次に必要そうなものが見えてくる
つまり、「UMATAKAでは何を見ながら遊ぶのか」を、1手だけ体験として見せます。
たとえば、こんな説明です。
まず私が1手だけやってみます。
今回は村人を使って、粘土がもらえるアクションを選びます。
粘土は土器づくりに関わる資源なので、最初に持っておくと次の行動が考えやすくなります。
アクションで粘土を得て、探索トラックも進めます。
今は強い手かどうかより、「コマを置くと資源が増える」「探索でも何かが起きる」「手元を見ると次に足りないものが見えてくる」ところだけ見てください。
この見本プレイで大事なのは、ルールを全部説明しないことです。
「このアクションはこうで、こっちのアクションはこうで、例外としてこの場合は……」と広げすぎると、見るべきポイントがぼやけます。
最初の見本プレイは、あくまで最初の足がかりです。
この段階で目指すのは、完璧な理解ではありません。
「なるほど、コマを置くと何かが進むんだ」と感じてもらえれば十分です。
練習1手番目は、正解を選ばなくていい
見本プレイを見せたら、次は全員に1手番だけ動かしてもらいます。
このとき、インスト役は「正解を選ばなくていい」と先に伝えておくと、かなり動きやすくなります。
まずは練習なので、強い手を選ばなくて大丈夫です。
見た目で気になる場所でもいいです。
土器づくりに近そう、くらいの理由で選んで大丈夫です。
犬を使ってみたい、でもいいです。
この一言があるだけで、初心者はかなり安心します。
UMATAKAのように選択肢が多いゲームでは、最初の1手から正解を探そうとすると、手が止まりやすくなります。
でも、練習1手番目の目的は、正解を選ぶことではありません。
目的は、「自分のコマを置いて、何かが変わる」ことを体験することです。
資源が増える。
探索が進む。
手元に何かが残る。
盤面の見方が少し変わる。
この変化を体験できれば、1手番目としては十分です。
1手番後に見るのは、点数ではなく「足りないもの」
ここが、UMATAKAのインストで一番大事なところです。

1手番動かしたあと、すぐに次のルール説明へ進むのではなく、一度だけ手元を見ます。
確認するのは、次の3つだけで十分です。
- いま何の資源を持っているか
- 探索トラックでどこまで進んだか
- 土器づくりに何が足りなさそうか
この確認でやることは、点数を正確に計算することではありません。
自分の前にあるものを見て、「次に何を取ると土器づくりに近づくか」を見ることです。
木材はあるけど粘土がない。
粘土はあるけど霊感がない。
資源はあるけど、まだ土器づくりのタイミングが来ていない。
探索は進んだけれど、手元の資源が少ない。
そう見えるだけで、次のターンの選択は少し楽になります。
ここで初めて、「ほしいもの」が見え始めます。
最初から「ほしいものを選んでください」と言われても、初心者には難しい。
でも、1手動かしたあとなら違います。
手元に木材がある。
粘土が足りない。
土器づくりにはもう少し資源が必要そう。
だったら、次は粘土が取れる場所を見てみよう。
この流れができると、プレイヤーは自分で選べた感じを持ちやすくなります。
インスト役が答えを教えているのではありません。
プレイヤー自身が、自分の手元を見て「次はこれかも」と思えるようにしているのです。
練習2手番目で「ほしいもの」が生まれる
1手番目のあとに「足りないもの」を確認したら、2手番目はそこを取りに行きます。
ここでは、選択の理由が少し具体的になります。
粘土が足りなそうだから、粘土が取れるところに行ってみます。
探索をもう少し進めたいので、このアクションを選びます。
土器づくりに近づきたいので、必要そうな資源を取りに行きます。
この時点で、プレイヤーの中に「次はこれをしたい」が出てきます。
1手番目は、なんとなく選んでもよかった。
2手番目は、手元を見て選ぶ。
この差がとても大きいです。

UMATAKAのようなゲームでは、「このアクションが強い」と教えるよりも、「今の自分には何が足りないか」を見られるようになるほうが、遊び始めやすくなります。
なぜなら、プレイヤーは本番中ずっと、自分の手元と盤面を見ながら選び続けるからです。
インストの役割は、最初の数手で「何を見ればよいか」に気づけるようにすることです。
できれば3手番目で土器づくりまで見る
2手番目まで動かした時点で、土器づくりに届きそうなら、3手番目まで練習してもよいです。
ここで土器づくりまで見えると、何のために資源を集めているのかが分かりやすくなります。
資源を取る。
探索を進める。
足りないものを見る。
もう一度取りに行く。
そして、土器づくりに近づく。
この流れを一度でも体験できると、初心者は「このゲームで何をしているのか」をつかみやすくなります。

ただし、必ず3手番やる必要はありません。
2手番で十分に見えているなら、そこで本番に入っても大丈夫です。
逆に、土器づくりまでは届かなくても、「あと何が必要か」が見えたなら、それも十分な成果です。
練習を長くすればよい、という話ではありません。
本番に入る前に、「次はここを見ればよさそう」と思えるところまで進めば十分です。
この練習フェイズは冗長ではなく、遊び始めるための近道
2〜3手番の練習と聞くと、少し長く感じるかもしれません。
「早く本番を始めたほうがいいのでは?」
「説明に時間をかけすぎでは?」
「練習を挟むとテンポが悪くならない?」
そう感じる人もいると思います。
でも、UMATAKAのように、選択肢が多く、資源や探索が土器づくりにつながっていくゲームでは、最初の理解がその後の楽しさにかなり影響します。
1手番だけだと、「コマを置く」という操作の不安は下がります。
でも、「何を基準に選べばいいか」までは、まだ分かりにくいです。
2手番目で、足りないものを取りに行く。
できれば3手番目で、土器づくりまで見る。
ここまで体験すると、「資源を取る理由」や「次にやること」が見えやすくなります。
「資源を取る」
「足りないものを見る」
「次の行動を選ぶ」
「土器づくりに近づく」
この流れが分かると、本番で迷いすぎずに動きやすくなります。
これは遠回りではありません。
本番で楽しみやすくするための準備です。
本番前に伝えることは最小限でいい
練習フェイズが終わったら、本番前に伝えることは最小限で十分です。
たとえば、次のくらいです。
- 最終的には点数を取るゲームです
- 土器づくりは大事な得点源です
- 資源と探索は、土器づくりにつながります
- 細かい効果や例外は、出たときに一緒に確認します
ここで、全アクションの詳細を説明しすぎないことが大切です。
もちろん、ルールを間違えないことは大事です。
でも、最初からすべてを説明しようとすると、初心者は「どれが今すぐ必要な情報なのか」を見失いやすくなります。
本番前に必要なのは、完璧な知識ではありません。
分からないところは途中で確認できる、という安心感です。
分からない効果が出たら、そのとき一緒に見ましょう。
まずは、手元の資源と土器づくりに必要そうなものを見ながら進めましょう。
このくらいの案内で始めたほうが、プレイヤーは動きやすくなります。
まとめ
UMATAKAのインストで大事なのは、最初から正しい選択肢を全部説明することではありません。
必要なのは、アクションの一覧を覚えることではありません。
「今の自分なら、どこを見ればよさそうか」が分かることです。
「ほしいものを選んでください」は、まだ早い。
先に必要なのは、「何がほしいのか」が見えるようになることです。
そのために、まずインスト役が普通に良い1手を見せる。
次に、全員が1手番だけ動かす。
そのあと、点数ではなく「足りないもの」を見る。
2手番目で、その足りないものを取りに行く。
できれば3手番目で、土器づくりまで見てみる。
この流れを作ると、初心者は「自分でも遊べそう」と感じやすくなります。
インストは、できない人に教える時間ではありません。
まだ見えていないものを、プレイヤー自身が少しずつ見つけられるようにする時間です。
UMATAKAは、遊びながら「次に何をしたいか」が少しずつ分かってくるところが楽しいゲームです。
だからこそ、最初のインストでも、急いで全部を説明するより、少し動かしながら分かっていく流れを大事にしたいです。

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